事件名 |
遺産分割審判等に対する抗告事件 東京高等裁判所平成21年(ラ)第617号 平成22年5月20日第4民事部決定 |
超過特別受益者に寄与分がある場合の遺産の分割取得価額の計算方法 |
寄与分は,あらかじめ寄与分を控除した前記した分割対象財産をみなし相続財産としてこれを基礎にして具体的相続分の比率を定めるものであることにかんがみれば,寄与分の割合を認定された相続人に係る超過特別受益の存在によって同人の具体的相続分が零になったとき,同人の上記寄与分の価額から更に超過した特別受益の部分の価額を差し引いて減少させて調整することは,すでに遺産分割及び寄与分に係る事件に顕れた一切の事情を総合勘案した上で裁判所により認定判断された寄与分の割合を重ねて修正するに等しく,これは民法903条と同法904条の2の各立法趣旨に照らし,寄与分と特別受益はその本質を異にすることが明らかである以上,改めて修正を施し直す理由は一般的にはやや分かりにくく,また,分割の手法としても迂遠さを残すものと解されるので,むしろ,なお重ねて控除しなければ著しく合理性を欠くというべき格別の事情が存在するというのであるならば,あらかじめこれを勘案して寄与分の割合を定めることが相当であると解される。 |
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