相続財産（遺産）の変動

　相続が開始してから遺産分割まで終わるまでの間、かなりの時間が経過し、その間に相続財産を構成する個々の財産に変動が生じることは少なくありません。このような相続財産の変動を遺産分割においてどのように扱うかがよく問題となります。

遺産分割の対象となる財産の起算点

　遺産分割の対象となる財産は、どの時点の財産なのか、という点について、相続開始時の財産とする見解（相続開始時説）と、遺産分割時に現存する財産に限られるとする見解（遺産分割時説）の対立がありますが、実務では遺産分割時説が採られています。

管理費用

相続財産（遺産）の管理費用は、その財産の中から支弁するとされており、相続財産によって清算されることになります。

この清算を遺産分割手続内で行うのか、分割手続とは別の民事訴訟で行うのかについては争いがありますが、遺産分割手続内での清算を認めるのが実務の主流のようです。